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COLUMN

メディアミックスの起源

メディアミックスとは

一般に使われる「メディアミックス」という言葉は、広告用語ではテレビ、新聞、ラジオ、インターネットなど性格の異なる複数のメディアを組み合わせた広告戦略を指します。また、マーケティング用語では小説・マンガなどのコンテンツを原作としてドラマ化・映画化・ゲーム化などさまざまなメディアに展開することで売上を伸ばす手法を意味します。しかしこのふたつを比較してゆくと、その根底部分はひとつの概念に集約されてゆくようです。

メディアミックス広告の起源

日本の近代広告の発祥が新聞広告であったことは「新聞広告の歴史」や「広告界の黎明期」でもご紹介していますが、もともとメディアミックス広告は性格・特徴の異なるメディアを組み合わせてシナジー効果や補完効果を期待する手法ですから、同じ紙媒体同士では大きな効果が期待できないのです。 そう考えると、日本で初めてメディアミックス広告で成功を収めたのは「テレビCM+琺瑯(ホーロー)看板」ではなかったかと思われます。 琺瑯看板とはカラー写真がそのまま印刷できる金属製の看板のことです。1950~70年代にかけて日本各地で「オロナミンC」(大村崑)、「オロナイン軟膏」(浪花千栄子)、「ボンカレー」(松山容子)、「アース渦巻」(由美かおる)などの琺瑯看板が屋外広告として大量に登場し、注目を集めました。 その効果の理由がテレビCMです。テレビCMと同じタレントが同じシチュエーション・ポーズでそのまま看板になっていたのが斬新でした。 当時の、決して鮮明とは言えない(そして白黒テレビの家庭も多かった)テレビCMのワンシーンが琺瑯看板で鮮やかにカラー再現されていたことにより、日本全国津々浦々にまでCMのイメージを強く焼き付けることに成功したのではないでしょうか。

メディアミックスコンテンツの起源

一方、メディアミックスコンテンツの起源とされるのは小松左京の小説「日本沈没」です。上下巻あわせて385万部を売り上げた空前のベストセラー小説は1973年の刊行直後から映画化やテレビドラマ化が相次ぎ、いずれも商業的成功を収めました。 この路線を定着させたのが後の角川書店で、小説を原作とした一連の「角川映画」をヒットさせ、映画のヒロインがアイドルになるといったメディアミックス・ビジネスモデルを確立しました。 ただし「マンガを原作としてアニメ化する」というタイプのメディアミックスはそれ以前に手塚治虫の「鉄腕アトム」などの例があり「マンガを読んでいた読者がアニメも見る」「アニメでその作品を知り、原作マンガを読む人が増える」「アニメキャラクターを商品化する」といったビジネスモデルはすでに1960年代から定着していました。

プロモーションミックスについて

こうしたメディアミックスのルーツには「プロモーションミックス」というマーケティングコンセプトがあります。定義としては広告・コミュニケーション活動・パブリシティ・セールスプロモーションといった4つのプロモーション手段を理想的な形で組み合わせるということですが、そのうちの広告に対しては「各種のメディアを組み合わせることが望ましい」とされています。つまりテレビCMならテレビCMだけを何度も繰り返すより、さまざまなメディアを組み合わせた方が費用対効果も高く消費者の印象度も強くなるという考え方です。 上記で例にあげた「琺瑯看板+テレビCM」では、琺瑯看板の「身近・静止・固定」という特性とテレビCMの「全国的・動的・短時間」という特性をうまく組み合わせた例ですし、「小説+映画」では文字対映像という対比が功を奏しました。

今日のメディアミックスについて

近年はインターネット広告の隆盛に伴い、「続きはWebで」といった「テレビCM+ネット広告」型メディアミックスが非常に多くなっています。確かにテレビCMで視聴者の興味をひき、Web上で詳細に商品・サービスの紹介をするという手法は便利ですが、安易にこの手法に頼ると「テレビ→インターネット」という流れが生じるだけでメディアミックス本来のシナジー効果が十分に発生しないおそれがあります。 一方で従来型の「明日の朝刊をご覧ください」といった「テレビCM+新聞(折込)広告」も効果を発揮し続けていますし、屋外広告や交通広告にQRコードやキーワードを組み合わせてモバイル広告と連動させるなど新しいタイプのメディアミックスもしています。 メディアミックスの命は「多様性」にあり、また本来広告は常に「斬新」を競うものです。すべての媒体をインターネットに集約させるような手法ばかりでなく、新旧あらゆる広告媒体の特性と最新技術を組み合わせた斬新なメディアミックスが登場し続け、ユーザーに新鮮な驚きを与え続けることがもっとも望ましい姿ではないでしょうか。

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