広告計画総合支援システム MARS
MARSとは
『限られた広告予算の中で最も効果的で最も投資効率が高い広告計画を策定する』という宣伝担当者の永遠のテーマに応えるべく、「早稲田計算科学コンソーシアム」と共同開発した広告計画の策定を総合的に支援するシステムです。
通常、広告計画を策定する場合、雑誌広告であれば発行部数や読者構成、交通広告であれば路線・駅の乗降客数(利用者数)といった漠然とした指標を目安に判断される傾向にあります。
しかし、例えば雑誌であれば同じ媒体でも「4色見開き」や「モノクロの小さいスペース」など多様なヴィークルが存在するようにそれぞれの広告接触率は大きく異なり、そもそも「ターゲット自体の媒体接触状況」は、それらの指標からは読み取ることができません。
MARSでは、性別・年齢・収入・居住形態・家族構成などの基本データはもちろん、「趣味・嗜好」や「よく行くお店」「好きなブランド」などのライフスタイルデータでターゲットをさらに細分化、設定したターゲットのメディア接触ランキングをもとに、『広告到達効果の最大化』に目標を置いたメディアプランニングを実現します。
さらに、各々異なる指標を持つテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・交通広告の5媒体を同じ土俵に乗せ、総合的な広告計画の支援を実現します。

最適アレンジを高い精度で実現する「遺伝的アルゴリズム」
通常、電車での広告を検討する場合、電鉄各社が運行する数多くの路線・様々な掲載スペース(ユニット)・掲載期間など、複雑な与件があり、その組み合わせだけでも天文学的な数になります。
従来のMARSでは、メディアプランナーの経験とひらめきで小単位の媒体プランを複数個策定、それらをMARS上で組み合わせてバジェット(投資予算)に整合させていく予算管理法(タスク法)で対応していましたが、今回、「遺伝的アルゴリズム」の適用に成功したことによって、電車広告に投じる媒体予算の総額の設定を起点に、より高い精度で、よりコスト効率に優れた媒体提案が可能となりました。
遺伝的アルゴリズムとは
「遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)」とは、1975年にミシガン大学のジョン・H・ホランド(John Henry Holland)によって提案された近似値を探索するメタヒューリスティック・アルゴリズム(どんな問題に対しても汎用的に対応できるように設計されたアルゴリズム)で、適応度が高い(優秀な)遺伝子の組み合わせ(個体)を発見、その個体を優先的に他の個体と交叉させていくことによって生産性が低い計算を排除、天文学的な組み合わせを合理的に減らしてコンピュータの利用効率を上げる作業理論。 現在では、リスティング広告のタイトルと説明文の最適な組み合わせの追求、バナー広告のメインビジュアル・キャッチコピー・ボディーコピー・ロゴタイプ・アクションボタンの最適な組み合わせの追求、N700系新幹線の風抵抗を極小化するデザインの追求など、多方面で実用化されています。
MARSの特徴
MARSには、下記のような4つの特徴があります。
- 基礎データはビデオリサーチ社 ACR/ex
- 対象者:満12歳~69歳の男女個人
対象エリア:東京50km圏内
- 膨大なセグメント項目で多様なターゲット設定と多角的なターゲット分析を実現
-
・ライフステージセグメント
「性別」「年齢」「世帯年収」など全41項目・ライフスタイルセグメント
「よく閲読する雑誌記事」
「日常生活に関する意識」
「購買行動の特徴」など全65項目・雑誌閲読/購読セグメント
週刊誌 全45項目
月刊誌 全300項目・交通利用セグメント
路線 全99路線
駅 全1852駅・ブランド選定セグメント
「ビール」「化粧品」
「映画の好きなジャンル」 など 全109項目
- コストパフォーマンス分析が可能
- 「Ad-GRP1%コスト」という投資効率の概念でコストパフォーマンス分析をすることができます。
- 業界初 交通広告を含めた5媒体ミックスの広告到達効果分析が可能
- 〔テレビ:視聴率/GRP〕
〔ラジオ:聴取率/GRP〕
〔新聞:販売部数〕
〔雑誌:販売部数〕
〔交通:乗降人員/平均利用者〕
といったそれぞれ異なる指標を持った媒体の広告効果を『広告到達レベル』で
「AD-Reach」
「AD-Freaquency」
「AD-GRP」
という3つの同一基準で表現。
異なる広告媒体を同じ土俵に乗せてシミュレートすることができます。
MARSの活用例
課題:人材派遣業 「スキルの高い派遣社員獲得を目的とした」メディアプランニング
ターゲット:20歳~34歳の働く女性
1.ターゲット設定
「スキルの高い、または向上心の高い」女性層をイメージして、日常生活に関する意識で「スキルアップのために専門的に勉強をしたい」20歳~34歳の働く女性をセグメントします。
2.多角的にターゲットを分析
設定したターゲットのイメージの整合を確認します。同じく、日常生活に関する意識を確認すると、「英語を学んでみたいと思う(現在学んでいる)」「インターネットで情報を収集することがよくある」などが、一般の同年代の女性に比べ有意に差があることから、今回のターゲットとイメージが合致している事が確かめられました。
3.ターゲットに効率的に到達する広告媒体・ヴィークルを選定
ターゲットの「雑誌閲読ランキング」「テレビの視聴傾向(曜日・時間帯別個人視聴率)」「路線の利用率」などを把握することで、効果的な媒体・ヴィークルを 選定します。

4.メディアプランの具体的効果やコストパフォーマンスを算出
3.で導き出したスコアをもとに、メディアプランの作成に進みます。
ミックス案 | AD-GRP | AD-Reach | AD-Freq. | 推定広告到達人口 |
---|---|---|---|---|
【テレビ】A局 全日型 25本 | 32.0% | 28.6% | 1.1回 | 229,230 |
【ラジオ】B局 全日型 186本 | 18.5% | 6.5% | 2.9回 | 51,725 |
【新聞】C社 全5段×1回 | 11.5% | 11.5% | 1.0回 | 91,772 |
【新聞】D社 全5段×1回 | 13.9% | 13.9% | 1.0回 | 111,093 |
【雑誌】E社 4C1P×1回 | 4.7% | 4.7% | 1.0回 | 37,315 |
【雑誌】F社 4C1P×1回 | 2.7% | 2.7% | 1.0回 | 21,528 |
【雑誌】G社 4C1P×1回 | 2.7% | 2.7% | 1.0回 | 21,528 |
【雑誌】H社 4C1P×1回 | 2.0% | 2.0% | 1.0回 | 15,787 |
【交通】I線群 ツインステッカー | 156.6% | 57.7% | 2.7回 | 462,438 |
メディアミックスプラン比較対照表(※東京30km圏内) |
AD-Freq (広告接触頻度)は、「ラジオB局」「交通I線群ツインステッカー」が高く、AD-Reachは、「テレビA局」 「交通I線群ツインステッカー」が高い。 AD-GRPは、「交通I線群ツインステッカー」「テレビA局」「ラジオB局」「新聞D社」の順であることが確かめられました。
ミックス案 | AD-GRP | 費用概算 | AD-GRP1%コスト | 推定広告到達人口 |
---|---|---|---|---|
【テレビ】A局 全日型 25本 | 32.0% | 13,000,000円 | 405,932円 | 229,230 |
【ラジオ】B局 全日型 186本 | 18.5% | 13,000,000円 | 704,433円 | 51,725 |
【新聞】C社 全5段×1回 | 11.5% | 12,480,000円 | 1,089,783円 | 91,772 |
【新聞】D社 全5段×1回 | 13.9% | 10,670,000円 | 769,689円 | 111,093 |
【雑誌】E社 4C1P×1回 | 4.7% | 2,300,000円 | 493,947円 | 37,315 |
【雑誌】F社 4C1P×1回 | 2.7% | 1,100,000円 | 409,475円 | 21,528 |
【雑誌】G社 4C1P×1回 | 2.7% | 1,200,000円 | 446,700円 | 21,528 |
【雑誌】H社 4C1P×1回 | 2.0% | 1,350,000円 | 685,279円 | 15,787 |
【交通】I線群 ツインステッカー | 156.6% | 8,700,000円 | 55,569円 | 462,438 |
コストパフォーマンス比較対照表 |
実施費用を入力することで「AD-GRP1%コスト」という投資効率を示すスコアを把握し、コストパフォーマンスを分析することができます。 このように、「AD-GRP」「AD-Reach」「AD-Freq」「推定広告到達人口」「AD-GRP1%コスト」を目安に効果的なメディアプランニングを策定していきます。
※媒体ごとの効果を比較したり、ヴィークルごとの効果を比較して、再度それらを勘案した媒体選定を実現させることも可能です。
広告効果測定について
広告効果測定の尺度
広告戦略の策定・実施において、広告の効果を測定することは極めて重要です。効果測定により従来の広告戦略がどのような効果をあげてきたのか、費用対効果はどのようになっているのかといったマーケティングデータが得られ、今後の広告戦略で目指すべき指針が見えてきます。
一般に広告効果測定には、
・広告到達率
・売上高への影響
・消費者の心理に及ぼす影響(コミュニケーション効果)
といった尺度が用いられます。これらの数値をもとに広告やプロモーションの費用対効果分析や戦略の見直しをはかるのです。
広告効果測定ツールの問題点と弊社オリジナルのシステム
さて、近年さまざまな「広告効果測定ツール」なるものが出回っています。これは広告の効果を示す指数を可視化することで効果測定に役立つというものですが、実際には広告効果測定ツールから得られるものは膨大なデータだけです。しかし正しい広告効果測定を行うためには、単純な数値比較だけではなくツールから得られたデータをどう解析し、どう解釈するかが重要となります。ところが残念なことに、広告効果測定ツールはそうした解析・解釈のためのノウハウは搭載されていません。
ムサシノ広告社は長年広告代理店としての実績を積み、仮説と検証を繰り返すことにより独自の広告効果のシミュレーション手法を確立しております。その結果は詳細なレポートによりクライアント様にご報告させていただいておりますが、それにはもちろん効果分析の根拠となるデータと、理論に基づくデータ解析の過程も客観的でわかりやすくご説明させていただいております。
「市販の広告効果シミュレーションツールの判定結果をうまく活用できない」
「従来の広告効果測定手法では、どうも正しく効果が分析できていない気がする」
というようなお悩みがおありでしたら、ムサシノ広告社に広告効果測定をお任せください。「広告戦略の策定に役立つ」実践的なレポーティングをご提供させていただきます。